Frank Cunimondo Plays George Benson Live In Concert / Frank Cunimondo


HMVの放出セールで偶然にもFrankCunimondoに出会い、アルバム「フィーリン・グッド」を聴くことができた。比較的このアルバムは人々に知られているようなのだが、これ以外の情報が少ない。そこで、とりあえず次の一枚、と選んだのがこのアルバムだ。だが、こいつは、Feelin’Goodとは全く異なるアルバムだった。

幸いこのアルバムにはFrankCunimondoについてのプロフィールが書かれている。英語の読解力がないので間違いもあろうかと思うが、恥を忍んで紹介してみる。WilliamHogelandという署名で書かれたプロフィールには、こ、ある。このアルバムはフランク・カニモンド・カルテットが、ジャズのギタリストでボーカリストであり、ピッツバーグのミュージシャン達が師と仰いでいるジョージ・ベンソンに捧げたものだ。ジャス評論家、DJ、熱狂的ジャズファンから、フランク・カニモンドは、スイングからボップ、そしてフュージョンという現代ジャズのすべてにわたる師であると思われている。12歳のとき、カニモンドはピッツバーグで最も有名だったウエスティングハウス・ハイスクール・バンドのメンバーであり、すでに10代からプロのピアニストであった。後にカニモンドはビリー・メイ・オーケストラで演奏するようになり、「トゥナイト・ショー」でソロプレイヤーとして認められるようになった。ピッツバーグに戻ってからレコード会社に声をかけられ、ファースト・ソロアルバムを発表した。またジャズ・テクニックの解説書を出版し、大学で教えたり、数多くの有名なレコーディングに参加し、多くのジャズやボーカル曲を書いた。このアルバムでカニモンドは才能ある3人のミュージシャンと競演している。といった具合だ。

このあとジョージ・ベンソンについての記述があり、最後に、このアルバムでフランク・カニモンド・トリオは私達にジョージ・ベンソンの素晴らしい音楽性、ギタリストとして、パフォーマーとして、そしてセッション・リーダーとしての才能を私達に思い出させてくれる、と、ある。CDジャケットの裏にはフランク・カニモンドの写真がある。意外に普通のアメリカ人の容貌だ。


さて、このライブ・アルバムには6つのトラックが収められているが、「BluesChaser」と名づけられた2つのトラックは、いずれもコンサート終演の小品という感じであり、実際は4曲であると言っていい。1曲目「WindSong」はファンクのリズムに乗ってカニモンドのモノフォニックシンセサイザーが気だるい感じで弾かれ、実に都会的な印象の曲である。アルバムジャケットがぴたりと似合う。まさに、ファンク・フュージョン・ジャズといった感じの演奏だ。2曲目「Affirmation」ではエレクトリック・ピアノとエレクトリック・ギターとの組み合わせが、いかにも典型的なフュージョン、またはクロスオーバーといった雰囲気だ。中間部ではストリングス・キーボードも効果的に使われている。12:12とアルバム中最も長く、ギターとピアノのソロが存分に楽しめる演奏となっている。3曲目に「BluesChaser」をはさんで、4曲目「NatureBoy」はボーカル曲。歌っているのはギタリストのPatLeoneだが、とても渋い。5曲目「OnBroadway」はジャズ、というよりもブルースの曲。このギタリストだが、歌も渋いし、ギターもジャズ的なものよりブルース・ロック的なアプローチの方が似合っているように思う。もしロックバンドをしていたなら、クリームくらいの有名バンドになっていたかも知れない。ギターとボーカルのユニゾンプレイがかっこいい。最後の6曲目に再び小曲「BluesChaser」とともに、メンバーの紹介が行われるステージの様子が記録されている。

このライブは、1978年にピッツバーグで行われたものだ。メンバーはFrankCunimondo(keybords)、PatLeone(guitar,vocals)、LennyRogers(drums)、BillGrieco(bass)。このCDは2001年にモンド・レコードMondoRecordsから発売されたポルトガル盤だ。

2004.11.23