なんといってもこのアルバムが有名なのは、1曲目の「Godzilla」だろう。「臨時ぬゅーすをモシアゲマス、臨時ぬゅーすをモシアゲマス。ゴッジラがギンコほめんにムカッテイマス。大至急ヒナンシテクダサイ。大至急ヒナンシテクダサイ」という片言日本語のアナウンスが面白い。だが、この曲は、単なるキワモノ的なものではなく、しっかりと作られた真っ当なヘビーメタル・ロックだ。まさに、アルバムの冒頭を飾るにふさわしい。2曲目「GoldenAgeOfLeather」は意表をつく男性コーラスで始まり、ポップなリズムの軽めの曲。しかし後半は立てノリに変わり、ブルー・オイスター・カルト色が出てくる。3曲目「DeathValleyNights」はバラード。この手の曲もブルー・オイスター・カルトは得意だ。4曲目は「Searchin’ForCeline」。ピアノが曲の中心を構える。ワウワウを使ったギターソロもいい。5曲目「Fireworks」はいかにもメロディーラインがブルー・オイスター・カルトらしい。だがこのメロディー、ピンク・フロイドのファーストアルバム、確か「Chapter24」に瓜二つだぞ。
6曲目は重厚なリフの「R.U.Ready2Rock」。このような曲を聴くと「ヘビー・メタル」という言葉も当てはまる、と思うが、英国ロックに比べて一貫性がないというか、曲の途中でメジャーなコード進行がひょいと顔を出すのだ。7曲目のシンフォニックなシンセサイザーを使った「CelestialTheQueen」、8曲目はストリングスを多用し、ハンドクラップが入った「Goin’ThroughTheMotion」、といかにもアメリカン・ロックという感じの曲が続く。9曲目はしっとりしたブルース「ILoveTheNight」。そして最後の10曲目「Nosferatu」はドラマチックにアルバムを閉める。
このアルバムのメンバーは、EricBloom(Vocal,Guitar)、JoeBouchard(Bass,Vocals,Guitar)、Donald(BuckDharma)Roeser(LeadGuitar,RhythmGuitar,Vocals)AlbertBouchard(Drums,Vocals,Harmonica)、AllenLanier(Keybords,Guitar)。ファーストアルバムでのオリジナルメンバーと同じだ。
ブルー・オイスター・カルトに付けられた「ヘビーメタル」という言葉だが、どうやら今のヘビーメタルというイメージではなく、アメリカンロックのスタイルの中でのヘビーメタル、メロディやコード進行、楽曲の組み立て、といったものではなく、サウンドの重厚さという、ただその一点に特徴があると思う。ブルー・オイスター・カルトについては、もっと聴き込みたいと思っているのだが、なかなかCDが手に入らない。HMVで発注しても何週間も待たされたあげく「入荷不可」というメールが届いたりする。気長に少しずつ聴いていくしかない。このアルバムは1977年に発表された。このCDはColombia/SonyMusicから発売されたオーストラリア盤だ。
2004.11.17