昨日に引き続きEP−4のアルバムを紹介する。昨日紹介した「LinguaFranca−x昭和崩御」は3曲入りのマキシシングルだったが、今日紹介するのはほぼ同時期に発売されたフルアルバムだ。「昭和崩御」同様、ジャケット写真は藤原新也氏。何の変哲もない一戸建て住宅の写真だが、実はこれも曰く付きのものだ。
好機タツオ、佐久間コウ、佐藤薫、三条通、バ・ナ・ナ、ユン・ツボタジ。これがEP−4のメンバーだ。収められた曲は「ロボットフッド・プロセス」「ザ・フランプ・ジャンプ」「シミラー」「ココナッツ」「E・パワー」「トーキン・トラッシュ」「ブロークン・バイサクル」「タイド・ゲージ」の8曲。どの曲も音が緻密に重ね合わされた重厚なもので、大きな音で全てを逃さず味わいたい。ヘッドフォンで音の洪水を脳内に響き渡せるのがいいだろう。A面の4曲は、ほぼ途切れなくシームレスに次の曲へと繋げられている。4曲目の「ココナッツ」は「昭和崩御」の1曲目「COCO」と同じ曲だ。B面へ移り5曲目にあたる「E・パワー」は、ブリティッシュ・ロックの伝統を感じるところもある。曲中でシンセサイザーのホーンが鳴るところで心地よいカタルシスを得ることができる。同様の快感は7曲目「ブロークン・バイサクル」でも、ジャコ・パストリアス風のフレットレス・ベース・プレイで味わえる。「昭和崩御」同様、混沌とした雄大なウネリを感じさせる曲風だが、音は整理されていて聴きやすい。アルバムらしく完成度は高いが、ダイナミックさは「昭和崩御」の方が上、というところか。
藤原新也氏はライナーに「曖昧な赤子」のタイトルでEP−4に対する思いを寄せている。「SIDE2の終わりが、エンドレスになっておりますのでオートリターンの使用は出来ません。御了承下さい」と書かれているが、俺のレコードプレイヤーのアームは普通にリターンした。
これは1983年に日本コロムビア株式会社から発売された日本盤のアナログレコードだ。
2001.9.19