数々のグループを渡り歩き、その名声を不動のものとしたギタリスト、マイケル・シェンカー在籍中の有名なライブアルバムだ。この時期のUFOの魅力は、やはりパワフルなリフにあると言っていいだろう。だがこのグイグイ引き付けるリフのエネルギーは、ギターだけによるものではない。ベースとドラムのリズムが渾然一体となって大きなうねりを作り出しているのだ。
メンバーは5人。フィル・モグ(vo)、マイケル・シェンカー(g)、ピート・ウェイ(b)、ポール・レイモンド(key,g)、アンディ・パーカー(ds)。ライナーの増田勇一氏によれば、UFOの結成は1970年。フィル・モグ、ピート・ウェイ、アンディー・パーカーに加えて、ギターはミック・ボルトンだった。このメンバーでファーストアルバム「UFO」から、セカンドアルバム「Flying」、日本公演を収めたライブアルバム「LandedInJapan」を発表している。その後ミック・ボルトンの脱退とマイケル・シェンカーの加入、クリサリスに移籍し「Phenomenon」、「ForceIt」「NoHeavyPetting」「LightsOut」を発表する。しかし「LightsOut」リリース後の全米ツアーの前に、マイケル・シェンカーの失踪事件がおこる。その後、一旦復帰したマイケル・シェンカーとともにアルバム「Obsession」を発表するが、結局脱退することとなる。
このライブ・アルバムは、「Obsession」発表後の複雑な事情の下で発表されただけに、ギター・パートだけ差し替えたのではないか、などの憶測を呼んだらしい。またミック・ボルトンからマイケル・シェンカーへギタリストをスイッチした「Phenomenon」リリース後のツアーと、「LightsOut」発表後の全米ツアーでマイケル・シェンカーが失踪した時にピンチ・ヒッターとして迎えられたのはマイク・チャップマンで、彼は後にLoneStarに加入することになるギタリストだ。
「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」、「ドクター・ドクター」、「ライツ・アウト」、「ロック・ボトム」、「燃えたぎるギター(トゥー・ホット・トゥ・ハンドル)」など素晴らしい曲が満載だ。このアルバムは1978年に発表された。このCDは東芝EMIから発売された日本盤だ。
2001.7.26