Broken English / Marianne Faithfull


このアルバムは先日、神戸元町のCD店「ハックルベリー」で手に入れた。学生時代に聴きまくっていたアルバムだったので嬉しかった。当時の俺はマリアンヌ・ファイスフルの名前さえ知らなかったが、何かの雑誌で見かけた記事が気になったのか、貸しレコード店でこのアルバムを手にとることになったのだ。

今あらためて聴いてみると、70年代末というニュー・ウェーブ全盛の時代を反映する音作りになっていることに気付く。少し大げさなSE、歯切れのいいリズム楽器。1曲目のタイトル曲「ブロークン・イングリッシュ」は印象的でパワフルな曲だ。当時の音楽シーンの雰囲気を一番よく伝えてくれる。だがマリアンヌ・フェイスフルの魅力は、語りかけるようなボーカルにある。2曲目はカントリー調の「ウィッチズ・ソング」、そして3曲目「ブレイン・ドレイン」、4曲目「ギルティ」と比較的に静かな曲が続く。このあたりがアルバム中で最もマリアンヌの歌を存分に味わうことができるところだ。

5曲目、アナログレコードではB面の1曲目にあたる「ザ・バラード・オブ・ルーシー・ジョーダン」ではポップなシンセサイザーのリフが70年代末の味つけ感じる。6曲目「ファッツ・ザ・ハリー?」もアップテンポでポップな曲。そして7曲目はジョン・レノンの「ワーキング・クラス・ヒーロー」だ。俺は原曲を知らないのだが、かなり大胆なアレンジがされている。最後の8曲目は、レゲエ調のリズムにねじれたサウンドのギターが絡む「ホワイ・ドゥヤ・ドゥ・イット」。マリアンヌのヴォーカルも力が入っている。

参加ミュージシャンとして、DianBirch、FrankieCollins、JimCuomo、GuyHumphries、JoeMavety、MauricePert、BarryReynolds、TerryStannard、DarrylWay、SteveWinwood、SteveYorkの名前がある。「モーリス・パート」とはブランドXのパーカッショニストかと思ったが、綴りが違うので別人らしい。「ワーキング・クラス・ヒーロー」をはじめ、収められた曲のほとんどはカバー曲。「ブロークン・イングリッシュ」と「ウィッチズ・ソング」だけがマリアンヌ・フェイスフルMarianneFaithfull、BarryReynolds、JoeMavety、SteveYork、TerryStannardの名義になっている。

このアルバムは1979年に発表された。このCDはアイランド・レコードIslandRecordsLtd.から発売された米盤だ。


2001.7.27