ひたすら優しい音楽だ。人間関係の軋轢に潰されそうになったり、悲しみで心があふれそうなとき、この音楽を聴いてみろ。ただひたすらに美しい音楽を作ろうとする彼らの真摯な心に触れ、あなたの心は幾許か癒されることだろう。だが断っておくが、聞き手に媚びて音を垂れ流す「ヒーリング・ミュージック」ではない。彼らには断固たる音楽へのこだわりがあるのだ。リバーブやエコーの残響音の処理に特徴があるのか、どこか遠くから聞こえてくるように感じる。攻撃的な音楽が溢れる今日だが、そして俺はそんな音楽も大好きなのだが、だからこそ彼らの音楽は精彩を放っている。
タンジェリン・ドリームやクラフトワークなどに比べて、日本では紹介されることの少ないポポル・ヴーだが、このアルバムは彼らの初めて日本で紹介されたアルバムとのことだ。「CoeurDeVerre」とはエッグEGGレーベルから発売されたフランス盤を基にしたためのタイトルで、ドイツのブレインBrain盤では「HerzAusGlas」であるらしい。邦題は「ガラスの心」。1.Affenstunde、2.InDenGartenPharaos、3.HosiannaMantra、4.Seligpreisung、5.Einsjager&Siebenjager、6.DasHoheliedSalomos、7.Aguirre、8.LetzteTageLetzteNachte、9.Yoga、と発表してきた彼らの、これは10枚目のアルバムにあたるサントラ盤だ。
このアルバムは1977年に発表された。これは1979年にキングレコード株式会社から発売された日本盤のアナログ・レコードだ。
2000.11.1