Die Kleinen Und Die Bosen / DEUTSCH AMERIKANISCHE FREUNDSCHAFT (DAF)


最近カルト・ミュージック・メーリングリストではネイキッド・シティやペイン・キラーの話題で盛り上がり、「阿鼻叫喚音楽」という言葉が飛び出してきたりするが、このDeutschAmerikanischeFreundschaft、DAFは元祖「阿鼻叫喚音楽」と言えるかも知れない。

叫び声をあげるかのような電子楽器と攻撃的なヴォーカル。このアルバムに収められた曲の多くはロンドンの「エレクトリック・ボールルーム」という場所で1980年3月に録音されたライブ音源らしい。粗暴で生々しいエネルギーにあふれたサウンドだ。だが、よくよく聴けば、その音の一つ一つが、実に繊細に組み立てられたものであることが感じられる。

俺は後にガビ・デルガドーのソロ・アルバムにのめり込むことになるのだが、ここでは「デルガドー・ロペスG.Delgado−lopez」という名前でクレジットされている。他にはR.Gorl、W.Spelmans、C.Haas、の名前がある。電子楽器やノイズ、誇張されたエフェクト、シーケンサー、テープ録音された音源などをライヴで効果的に使ったりと、様々な意味で革新的な彼らだ。

このアルバムは1980年に発表された。これはトリオ・レコードから発売された日本盤のアナログ・レコードだ。パンク、ニュー・ウェイヴ、オルタナティヴ、インダストリアルなどと呼ばれるサウンドの核心を突く作品だ。そしてスピーカーから音を出して聴いていれば、間違い無く近所から変人扱いされるアルバムでも、ある。


2000.10.31