Together / JANE


赤岩和美さんとは、いったいどういう人なんだろう。俺の世代でロックのライターといえば、渋谷陽一、大貫憲章といった名前が思い浮かぶが、最近アルバムをひっくり返して目に付くのが赤岩和美さんだ。このアルバムでも当時、というか今でも全く有名でなく情報の乏しいこのバンドだが、事細かに経歴を述べたり過去の作品をリストにあげながら的確にサウンドを分析している。

解説によれば結成は1970年10月とのこと。本作はジェーンのデビューアルバムであり、独ブレイン・レーベルの第2弾アルバムとして発表されたそうだ。ちなみにブレインの1枚目は、スコーピオンズの「ロンサム・クロウ」とのことだ。

本作でのミュージシャンは、ベルンド・プルストBerndPulst(GreatVocals)、クラウス・ヘスKlausHess(LeadGuitar)、ヴェルナー・ナドルニーWernerNadolny(Organ,Flute)、チャーリー・モイヒャーCharlyMaucher(BassGuitar,Vocals)、ペーター・パンカPeterPanka(HeavyDrums,Percussion)となっている。「グレート・ヴォーカル」などと書かれいているのがおかしいが、確かに60年代風ではあるが、どこかピーター・ゲイブリエルにも似たハスキー・ヴォイスは魅力的だ。全体的なサウンドは、ハモンド・オルガンが前面に出ていて、俺の知るところでは「詩人タリエシンの世界」の頃のディープ・パープルか、アトミック・ルースターズに似た雰囲気だ。

1977年までの活動で10枚のアルバムが発表されていることが書かれている。しかし俺はこの一枚しか聴いたことがないし、その後の消息も全く知らない。カルト・ミュージック・ファンとしては気になるグループではあるのだが。このアルバムは1972年に発表された。これは株式会社ポリスターから発売された日本盤のアナログ・レコードだ。


2000.10.30