Fire Wind / ELECTRIC SUN (Uri Roth)


何度も書いてきたことだが、俺にとってロックとの出会いはスコーピオンズの「ロボット・マン」であったとともに、ウリ・ロートというギタリストとの出会いでもあった。「三つ子の魂百までも」というが、15のときに感動を覚えた音楽とは、きっと一生離れられないものなのだろう。この音、このフレーズ、このビブラート。この心地よさは言葉では伝えることができない。これを聴く俺の顔はきっと悦楽に満ちているに違いないし、俺の顔からその喜びを汲み取ってもらうしかないのだろう。

とにかくいいのだ。ジミ・ヘンドリックスに追いついたとか並んだとか追い越したとか、そんなことはどうでもいい。はー、いーなー。スコーピオンズでも歌っていたけれど、やっぱり自分のバンドだと自由に歌えて嬉しいんだろうなあ、と思って聴きながら、気を取り戻してウリ・ロートに関することをライナーから拾い出してみる。

「僕は早く弾くことより、正確に弾くことを大切に練習してきた。そして、常にハートで弾くということもね。テクニックを競うのではなく、その表現する音楽が一番大切だからね」というウリ・ロートの言葉を解説の酒井康さんは紹介している。1954年12月18日に当時の西ドイツ、ハノーヴァーで生まれたとある。1975年、17歳でスコーピオンズに参加するが、それまでのギターは独学とともに、クラシックギターを3年間学んだそうだ。1978年にはスコーピオンズを脱退、1979年にエレクトリック・サンを結成となる。

メンバーの変遷が著しい彼のソロ・プロジェクトだが、このアルバムでのメンバーはウリ・ジョン・ロート(Guitar,Vocals)、シダッタ・ゴータマSidhattaGautama(Drums,Percussion)、ウレ・リトゲンUleRitgen(Bass)となっている。

1980年に発表されたこのアルバムはCDでも持っているのだが、これはRVC株式会社から発売された日本盤のアナログレコードだ。はー、いーなー。


2000.10.27