Savage Amusement / SCORPIONS


スコーピオンズを聴くという行為は、俺にとって飯を食うのと同じような行為となっている。出来上がった料理が完璧で絶妙の味であったときは格別だが、お気に入りのシェフでも時には体調が悪くて味を間違うこともあるに違いない。素材によっても完成度は変わるだろう。だが例え納得のいかない味であったとしても、腹が減った時に出された食事に文句を言える筋合いはない。スコーピオンズは俺にとってエネルギーの源だ。

こんな書き方をすれば、このアルバムも「不味い」と言いたいのではないかと思われるかも知れないが、決してそうではない。昨日「彼らの得意技は印象的なリフにあった」と書いたが、このアルバムには甘いコードで弾くバッキングの曲も多いが、力強いリフの曲もある。1曲目の「ドント・ストップ・アット・ザ・トップ」をはじめ「パッション・ルールズ・ザ・ゲーム」などヴォーカルのメロディーも印象的だ。「メディア・オーヴァー・キル」はスクラッチを真似た効果が使われヒップ・ホップ感を出しているが、あくまでもスコーピオンズらしさを失っていない。

それにしても、歳をとってもエネルギッシュな彼らに頭が下がる。「リズム・オブ・ラブ」などあまりにもストレートな歌詞で、読んでいるとこちらが恥ずかしくなってくる。このアルバムは1988年に発表された。PolygramRecords,Inc.から発売された米盤のアナログレコードだ。


2000.10.25