Jardin Au Fou / Hans Joachim Roedelius


「今日はどんなアルバムが紹介されるだろう」と多少なりとも期待しながら見てくれていると思うと、ありきたりのアルバムを紹介するには気がひける。さりとて誰も知らないアルバムを紹介してもピンと来ないに違いない。今日のアルバムは気に入ってもらえるだろうか。レデリウスのソロアルバムだ。

レデリウスはクラスターのオリジナルメンバーで、後にハルモニアでも活動することになる。クラスターやハルモニアのオリジナルアルバムよりも、俺には「クラスター&イーノ」名義で発表されたブライアン・イーノとの共作が印象に残っている。そしてこのアルバムも、学生の一時期、俺を虜にした。

とにかく美しい。美しさの極みを求めたような曲が10曲収められている。シンセサイザーなどの電子楽器ではなく、主としてオルガンやピアノなどを使った演奏が、その美しさをより際立たせている。もちろん自動演奏ではない。箱庭のような美しさ、小さくまとまった構成美、貴族的な優雅さ、こういった表現がぴったりくるだろうか。ジャケットも不思議な印象で、ここにあげたように小さな写真では良くわかるが、30cm四方のLPジャケットでは顔もぼんやりとわかりにくい。透明感を演出しただろうデザインは、もしかしたら見様によっては不気味な印象を受けるかも知れないが(^_^;)

このアルバムは1979年に発表されたレデリウスのセカンドアルバムだ。これはParagonStudio/Eggから発売された仏盤のアナログレコードだ。音楽之友社刊の「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック」ではCDが紹介されているが、ジャケットデザインは大胆に変更されているようだ。またボーナストラックとして6曲追加されているそうなので、CDも一度聴いてみたい気がする。

2000.9.11