Tago Mago / CAN


これはジャーマン・プログレッシヴ・ロックを代表すると言われるカンのサードアルバムだ。プログレ関係では非常によくまとまっている書籍「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック」では、中野泰博氏が「本来セカンド・アルバムの予定だったが、間に『サウンドトラックス』のリリースが入りサードとなった」と書いている。アナログレコードでは2枚組の大作だったようだ。

カンには独特のリズムがある。ゆっくりとして重たいのだが、長く聴いていると不思議と肉体的な快感を覚えるようになる。「体が踊り出す」というよりも、体を構成する細胞や血液がカンのリズムに合わせて共鳴震動するという感覚だ。もしかしたら単細胞生物ですらカンのリズムで踊り出すかも知れない。

全部で7曲が収められている。「Paperhouse(7’29”)」、「Mushroom(4’08”)」、「OhYeah(7’22”)]、「Halleluwah(18’32”)」、「Aumgn(17’22”)」、「PekingO(11’35”)」、「BringMeCoffeeOrTea(6’47”)」と大作が並ぶ。ヴォーカルはダモ鈴木。ヴォーカルはテクニックではなく存在感が全てだということを思い知らせてくれる。曲の途中で突然、日本語の歌詞が出てきて意表を突かれたりする。

このアルバムは1971年に発表された。このCDは1998年にMuteCorporationから発売されたオーストラリア盤だ。日本橋の「○か×か」で大量のCDをレジに運び、会計が済んで店を出ようとしたときに下入り口近くの棚で見つけ、あわててレジへ取って返した。

2000.9.7