Monster Movie / CAN


今日からしばらくはジャーマン・ロックを中心に紹介する。プログレッシブ・ロック通ならこのジャケットを前にしてひれ伏すに違いない。ジャーマン・プログレッシヴ・ロックの帝王、カンのファーストアルバムだ。

音楽之友社刊の書籍「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ」の中野泰博さんによると、「カン」というバンド名は「インプロヴィゼイション、非西洋音楽、編集、電子音など『様々な音楽要素をひとつの缶にブチ込む』というコンセプトが名前の由来」らしい。

確かにポップ・ミュージックとは一線を画す音楽だが、難解なわけではない。むしろ体を揺り動かされるグルーヴ感に満ちている。「ファーザー・キャント・イェル」は7’01”、「メアリー・メアリー・ソー・コントラリー」は6’16”、「アウトサイド・マイ・ドアー」は4’06”、そしてアナログレコードB面を前面使った名曲「ユー・ドゥー・ライト」は20’14”と、どの曲も大作だが、決してその長さを感じさせない。

メンバーは5人。イルミン・シュミットIrminSchmidt(Organ)、ヤキ・リーベツァイトJackiLiebezeit(Drums)、ホルガー・シューカイHolgerCzukay(Bass)、ミヒャエル・カローリMichaelKaroli(Guitar)、そしてマルコム・ムーニーMalcolmMooney(Vocal)だ。ヤキ・リーベツアイトの淡々としたクールなドラムに、跳ね回るホルガー・シューカイのベースが心地よい陶酔感に浸らせてくれる。

このアルバムは1969年に発表された。前述の中野泰博さんによると「最初は600枚限定の自主盤」として発売されたそうだ。これはUnitedArtistsRecordsから発売された英盤のアナログレコードだ。

2000.8.31