Sheer Heart Attack / QUEEN


実はクイーンというバンドの奥深さに、筆が進まないでいるのだ。このアルバムはクイーンのサードアルバム。俺にとっては懐かしいアルバムなのだが、あらためて今聴いてみると、なかなか言葉で表現しにくい。このアルバムはクイーンのアルバムの中で唯一、リアルタイムで学生時代に良く聴いた。

アルバム冒頭から意欲的な曲を聴くことができる。ブライアン・メイのギターが炸裂する「ブライトン・ロック」だ。好き放題に弾いているという感じで、こんな「カッコ良さ」ってあるんだなあと目から鱗が落ちる。そして続く2曲目は名曲「キラー・クイーン」だ。忘れもしない高校時代、友達とバンドを組んで文化祭に出たときに、この曲を選んで演奏したのだ。もちろんそれはヒドイ出来で、今でも思い出すたびに穴に入りたい気持ちになる。いったいどういう経緯でこの難しい曲を俺達は選んだのだろう?だがこのたび何度も繰り返し聴いているうちに、だんだんトラウマも消え曲を味わえるようになってきた。

前作の大作主義に対してこのアルバムは、小曲集といった印象だ。そしてバラエティ豊かな曲づくりがされている。全般的にはロック色の強い曲が多いが、「谷間のゆり」や「ディア・フレンズ」のようにひたすら美しい曲もあるというように、めりはりのある構成が取られている。そして派手ではないが、細かなところに実験的な試みが見られる。

このアルバムは1974に発表された。このCDは1994年に「クイーン・デジタル・マスター・シリーズ」として東芝EMI株式会社から発売された日本盤だ。

2000.8.24