Palepoli / OSANNA


日本においてヨーロッパのロックを語る上で、絶大な影響を与えたのがキングレコードの「ユーロピアン・ロック・コレクション」であったし、このシリーズを監修したたかみひろし氏の功績は語り尽くせぬものがある。というか、1979年という時点でイタリアやフランスのロックを正面からとらえたレコード会社など無かったと言っていいだろう。逆にこのことが、私がユーロピアン・ロックにのめり込めなかった理由でもある。

たかみひろしさんという人は、作品に対して常に肯定的な評価をする人だ。これは音楽を愛していればこそのことだし、シリーズ全てのアルバムを監修者として担当したのだから当然のことで、批判する訳ではないのだが、少ない小遣いでアルバムを揃える学生の身分からすれば、シリーズのどれもに絶賛の言葉を込めて語られると、どれを聴いたらいいのかわからなくなってしまう。また、これも無い物ねだりなのだが、少なくとも雑誌などでいろんな評論家の論評を見ることができたなら、もう少し客観的な判断が下せただろうし、そうであったなら少しずつでもユーロピアン・ロックを聴き続けていたかも知れないと思うと、少々残念な思いもある。

最初のインパクトが凄すぎたこともあって、何度か期待外れのアルバムを手にした後は、ぱったりとユーロピアン・ロックから遠ざかってしまった。オザンナもこのアルバム「パレポリ」以降は聴いていない。今にして思えば、例えばアレアなどは初期の作品をもっと聴いていればよかった。だが既に今は手に入れることも難しくなってしまった。

とはいえ、このアルバムが決してつまらない出来であるという訳ではない。シリーズ第3期のライナーで「ユーロ通信」としてたかみひろし氏はファンからの手紙を読んだ感想として、「例えばオザンナとニュー・トロルス。これがまったく信じられない程うまく2分されているんだなあ。よ〜するに『ミラノ・カリブロ9』『コンチェルト・グロッソ』派と、『パレポリ』『UT』派のふたつ」と書いているが、私にとってこのアルバムは、ファーストアルバムのル・オモに近い印象を受けながらも、決してミラノ・カリブロ9とかけ離れた印象はない。優雅なストリングスの中に野生的な力強さを感じさせるところは、どのアルバムでも感じられるオザンナの魅力だ。

このアルバムは、A面は2曲「熱い時」「スタンツァ・チタ」で合計20:22、B面は1曲「すばやい獣たち」で21:34というトータルアルバムになっている。その意味では最もオザンナを満喫できるのがこのアルバムだと思う。「スタンツァ・チタ」の終わりには、ミラノ・カリブロ9の曲の一部がかすかに聞こえるという憎い演出もされている。

このアルバムは1973年に発表されたもので、これは1979年に第2期「ユーロピアン・ロック・コレクション1800」としてキングレコード株式会社から発売されたものだ。

2000.8.15