このアルバムは、ヴァニラ・ファッジのファーストアルバムだ。実はヴァニラ・ファッジのアルバムはこれしか聴いたことがない。またこのアルバムは、ビートルズの「涙の乗車券/チケット・トゥ・ライド」をはじめ、ヒット曲のカバーが収められているのだが、あいにくオリジナルを良くは知らないので、どの程度デフォルメされているかも俺には実感できない。だが、アルバム解説で伊藤秀世さんが「初期のディープ・パープルやイエスらに大きな影響をもたらし」と書いているように、「アート・ロック」とか「サイケデリック・ロック」と言われる、ある種のユーモアを感じさせる演奏は、後のプログレッシヴ・ロック・グループに大きな影響を与えたことは想像に難くない。
プログレッシヴ・ロックのルーツとして、このアルバムもぜひ聴いて欲しい。また後に「ベック・ボガート・アンド・アピス」を結成するティム・ボガート(bass,vocal)とカーマイン・アピス(drums,vocal)のヘヴィーなプレイも楽しめる。このアルバムは1967年にアトランティック・レコードAtlanticRecordingCorporetionから発表された。このCDはワーナー・パイオニアからから発売された日本盤だ。
2000.8.5