Permanent Vacation / AEROSMITH


このアルバム「パーマネント・ヴァケイション」は「ダン・ウィズ・ミラーズ」に続く「復活」エアロスミスの第2弾、通算では13作目のアルバムだ。アルバム1曲目の「ハーツ・ダン・タイム」冒頭の迫力を聴け!ここには再び彼らの「王者」としての風格がある。

この「ハーツ・ダン・ダイム」や3曲目「ラグ・ドール」、5曲目「デュード」、10曲目「パーマネント・ヴァケイション」はいかにもエアロスミスらしい曲だ。だが2曲目「マジック・タッチ」や4曲目「シモライア」、9曲目「エンジェル」などは、アメリカン・ポップ&ハード・ロックの香りが強い。「シモライア」はスティーヴン・タイラーの歌が彼らしくない爽やかな雰囲気だし、「エンジェル」では泣きのギターを聴くことができる。もちろんいずれもエアロスミス風の味付けにねじ伏せられてはいることは間違いない。と、書いてみて思うのは、彼らがいかにアメリカン・ロックの主流とは異なるバンドであるかということだ。俺にとってのエアロスミスは、やはりヘヴィーなブギを中心とした曲なのだ。

以前にバンド内の確執が内在していた時期のアルバム「ナイト・イン・ザ・ラッツ」を紹介したとき、ジョー・ペリーではないギターの音を耳にすると紹介したのだが、このアルバムの解説で落合隆さんは「ジョーは3曲分のレコーディングにしか参加せず」と明確に書いている。そうとなれば、いったいどの曲にジョー・ペリーがいるのか、もう一度自分の耳で分析してみたい気になってくる。

このアルバムは1987年に発表された。このCDは1998年にユニバーサル・ビクター株式会社/ビクター・エンタテインメント株式会社から発売された日本盤だ。


2000.7.28