キッスの4人それぞれのソロ・アルバムを聴いていると、それぞれの個性がはっきりと見えて、それらが一体となってキッスというバンドの魅力を作り上げていたのだということがよくわかる。ああ、そう、とはいっても実はエース・フレーリーのアルバムを持っていないので、「全部聴いてから語れ」と言われるかもしれないが。
キッスでは主にリード・ヴォーカルをポール・スタンレーとジーン・シモンズがとっていたが、「ベス」や「ハード・ラック・ウーマン」を引き合いに出すまでもなく、ピーター・クリスの歌声も実に魅力的なのだ。もしかしたら彼は「歌う」ためにキッスを離れたのかも知れないとすら思えるほど、このアルバムでも素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれるし、ドラムを叩くことよりも歌うことを楽しんでいるように思える。
俺にとってはポール・スタンレーやジーンシモンズのソロ・アルバムよりも、このピーター・クリスのソロアルバムの方が楽しめるものだった。三宅はるお氏が1980年7月10日付けで書かれたライナーが載っているので、恐らくこのアルバムは1980年か1981年頃に発売されたものと思う。株式会社ポリスターから発売された日本盤のアナログ・レコードだ。
2000.7.21