Classics Live ! U / AEROSMITH


こいつは昨日紹介した「クラシック・ライヴ!」の続編だ。しかし内容的には全く違ったアプローチで作られている。「クラシック・ライヴ!」は配給会社主導で編集されたもので、録音日時やメンバーなど詳しいデータが不明であるし、オリジナル・メンバー以外のジミー・クレスポJimmyCrespoとリック・デュフェイRickDufayの名前がクレジットされていることなどから、ジョー・ペリーJoePerryとブラッド・ウィットフォードBradWhitfordが脱退していた時期のライヴと言われている。だがこの「クラシック・ライヴ!U」はそうではない。ライヴの日時や場所も明らかになっている。

そして何といっても1曲目「バック・イン・ザ・サドル」のイントロを聴けば、もう何も言うことはない。このブリブリした音はまさにジョー・ペリーのギターだ。なんというブ厚いサウンド!これはコイツ等以外の誰にも真似はできない。そしてスティーヴン・タイラーが、今日はトム・ハミルトンの誕生日だと紹介し、観客の「ハッピー・バースデー」の合唱に続きドラムの連打で「ウォーク・ディス・ウェイ」が始まる。観客とメンバーが一体化したコンサートの様子がわかる。背筋が寒くなるほどかっこいい!

3曲目はファーストアルバムからの曲で「ムーヴィン・アウト」。スティーヴン・タイラーは「これはエアロスミスが初めて作った曲、というか、俺がジョー・ペリーと一緒に初めて書いた曲なんだ」と紹介をする。スティーヴン・タイラーにとってジョー・ペリーとはきっとそんな奴なんだ。いつまでも最初に作った曲を一緒に演奏できる、そんな相手なんだろう。そしてコイツ等は死ぬまで一緒にロックを演っているに違いない。

4曲目は「ドロー・ザ・ライン」だ。これは名曲なのだが、実に強引なリフによって支えられている。「ロックス」を発表して絶好調のエアロスミスはへろへろになりながらアルバム「ドロー・ザ・ライン」を作ったんじゃないかと俺は思っているのだが、その恐いもの無しのパワーで作られたのがこの名曲だ。

これ以上語るのはやめよう。とにかく聴け!このアルバムを聴いて狂喜しない奴はロックに近づくのを止めた方がいい。このアルバムは1987年に発表された。これはソニー・ミュージック・エンタテインメントから発売された日本盤のCDだ。

2000.7.17