Dressed To Kill / KISS


掲示板でPIPさんという方が「女性でプログレ好きっていないのかな」との書き込みをしていた。やっぱり男と女では好みの音楽は違うのだろうか。高校時代ロック御三家といえば「キッス」「クイーン」「エアロスミス」だった。今思えばこれらは全然違うロックへのアプローチを持っているのだが、当時の雑誌の記事では必ずと言っていいほどこの3つのバンドが比べられていた。俺はキッスが好きで聴いていたのだが、同じ学年の女生徒でロックが好きなちょっと気になる可愛い女の子がいた。だがその娘は「クイーン命」というかんじで、全然話が合わなかったことを思い出す。これも青春の淡い思い出だ。

さてこのアルバムはキッスの3作目にあたる。日本ではこのアルバムが初登場となった。解説では大貫憲章さんが「アメリカのハード・ロックが、このところずいぶん威勢がいいのは、とっくにご存知のことだろう」とはじめて、モントローズ、ジャーニー、レーナード・スキナード、ハイドラ、ZZトップ、ブルー・オイスター・カルト、アリス・クーパー、ニューヨーク・ドールズ、エアロスミスの名前を挙げている。そんな時代だったな。

このアルバムは前作「HotterThanHell」とは違い、むしろファースト・アルバムに近い音づくりになっている。どちらかと言えば地味な感じだ。このアルバム中で最も有名な曲といえば、最後を飾る「ロックン・ロール・オール・ナイト」だろう。これはハード・ロックの歴史に残る名曲と言っていい。

このアルバムで「Alive!」に収録されたものといえば、先の「ロックン・ロール・オール・ナイト」以外には「ロック・ボトム」「カモン・アンド・ラヴ・ミー/激しい愛を」「シー/彼女」と少ない。意外に地味な曲作り、サウンド作りになっているこのアルバムの評価が定まるのは、まだまだ先なのかも知れない。

このアルバムは1975年にビクター音楽産業株式会社から発売された、日本盤のアナログ・レコードだ。

2000.7.13