Hotter Than Hell / KISS


これはKISSのセカンドアルバムだ。KISSのアルバムの中では俺の一番のお気に入りだったアルバムだ。エキゾチックな雰囲気を出すためと思うが、日本語をちりばめたジャケットが秀逸だ。当時彼らのメイクは「歌舞伎」をヒントにしたと言われていて、なるほどなと思ったものだった。ジャケットには「地獄のさけび」と邦題が書かれているし、メンバーの名前も「ピータ・クリース」「ポール・スタンリィ」「ジイン・シモンズ」「エイス・フューリ」と変な音で書かれている。そういえば当時、エース・フレーリーの名前は「フューレイ」と雑誌などで紹介されていたと、解説で増田勇一氏が書いている。裏ジャケットもカッコイイので紹介しよう。


1曲目「ゴット・トゥ・チューズ」のイントロから印象的な、深いファズ・ディストーションがかかったギター、どんしゃりと乾いたドラムの音。当時としてはかなり大胆な音作りがされている。このアルバムにも「Alive!」で演奏される名曲が多数ある。「ゴット・トゥ・チューズ」「パラサイト」「ホッター・ザン・ヘル」「レット・ミー・ゴー・ロックンロール」「ワォッチン・ユー」などだ。他にも名曲がたくさんある。「ゴーイン・ブラインド」はドラマチックな曲。「オール・ザ・ウェイ」はいかにもキッスらしい曲だ。「メインライン」は明るく軽いブギを意識したもの。「カミン・ホーム」はシングルカットしてもヒットしそうな軽快なロックナンバー。「ストレンジ・ウェイズ」はヘビー・メタルの名にふさわしい重厚な曲だ。

解説にRobertV.Conte氏が当時のキッスのライヴ・アクトや名声を獲得していく様子を書いている。また増田勇一氏は、このアルバムが日本に紹介された経緯について「当時日本では彼らの所属する『カサブランカ』レコードの配給権を持つレコード会社がなく、本作が我が国で市場に並んだのは『DESTROYER/地獄の軍団』が出た後の1976年7月のことだった」と紹介している。

このアルバムは1974年にCasablancaRecords,Inc.から発表された。これももちろん当時のアナログ・レコードも持っている。これは1997年にリマスターされてポリグラムから発売された日本盤のCDだ。「KISSオリジナル・リマスター・コレクションVOL.2」として1,835円で発売された。

2000.7.12