キッスといえばオリジナル・メンバーで再結成し、ワールド・ツアーを行うらしい。雑誌の記事によれば、日本公演の予定はいまのところないそうだが、プロモーターが交渉中であり期待は十分持てるとのことだ。そう言えば思い出すのは確か高校3年生の頃、当時は人気絶頂のキッスが来日し、大阪でコンサートが行われることとなった。しかし大阪の会場まで行くためには、学校を早退しなければならない時間になる。受験を控えていた当時の俺は、涙を飲んであきらめたことを思い出す。おかげで貴重な体験を逃すこととなったのだが、後悔しても仕方がない。だがもし今回、来日が実現するなら、この年になって恥ずかしいところもあるのだが、ぜひコンサートは見てみたい。というわけで、今日はキッスのデビュー・アルバムを紹介する。
全部で10曲が収められているのだが、そのうち7曲は「Alive!」で聴くことができる。つまりこのファースト・アルバムには彼らの自信曲が満載されているのだ。「ストラッター」「ナッシン・トゥ・ルーズ」「ファイヤーハウス」「コールド・ジン」「デュース」「10万年の彼方」「ブラック・ダイヤモンド」、どの曲も懐かしい。「Alive!」ではハードな演奏だが、このアルバムではどの曲もブギの雰囲気で比較的軽く演奏されている。サウンドもカラリと明るい。
「Alive!」に収録されなかった3曲のうち、「LoveThemeFromKiss」は何やら怪しい中近東風のインストルメンタル曲で、アルバム中では違和感がある。「Kissin’Time」は明らかに他の曲とサウンドが異なり、どちらかというとこの後のアルバム「ホッター・ザン・ヘル」に近い音作りになっている。アルバム解説の増田勇一さんによれば、この曲はもともとアルバムのためにレコーディングされたものではないらしく、「実はこの曲、アルバム発売の2ヶ月ほど後にプロモーションの一環として行われた『TheGreatKiss−off(長時間キス・コンテスト)』からヒントを得て、シングル用に録音されたもので、後に『ビルボード』誌のシングル・チャートにも下位ながら顔を出したこの曲を追加収録してアルバムを出し直す結果となった」と書かれている。
このアルバムは1974年にCasablancaRecords,Inc.から発表された。もちろんアナログ・レコードも持っているが、これは1997年にリマスターされてポリグラムから発売された日本盤のCDだ。邦題は「地獄からの使者」と言う。うむ、懐かしい。
2000.7.11