Big Science / Laurie Anderson


今日紹介するローリー・アンダーソンのアルバムは、以前に紹介した「ミスター・ハートブレイク」とは違って実験的な作品だ。1曲目「FromTheAir」は単調なサックスの繰り返しフレーズと行進するようなリズムのドラムにローリー・アンダーソンのモノローグが重なる。2曲目の「BigScience」でも、歌と台詞の中間のような歌いかた。3曲目の「Sweaters」は、まるでオノ・ヨーコのような叫び声で始まり、中近東風のメロディーが聞こえてくる。これはバグパイプらしい。

全体的に音の使い方に繊細な感覚がうかがえる。これはアルバム全体を通じて参加しているパーカッショニスト、デヴィッド・ヴァン・ティーゲムDavidVanTieghemの影響だろう。また同様にほとんどの曲でロマ・バランRomaBaranという人が演奏に参加している。マルチ・プレイヤーのようで、ある曲ではFarisaBass、次の曲ではGlassHarmonica、Accordion、そしてカシオのキーボードのことと思われるCasioなど、様々な楽器でクレジットされている。またA−1ではピーター・ゴードンPeterGordonがクラリネットとテナーサックスを、B−4ではジョージ・ルイスGeorgeLewisがトロンボーンを聴かせてくれる。

このアルバムは1982年にWarnerBros.Recordから発売された米盤のアナログレコードだ。ジャケットの写真がなんとも渋い。こういう格好いいジャケットをアナログLPの30cmで手にすると、CDの小さいサイズでは実感が持てないと思うな。

2000.7.10