Polytown / POLYTOWN ( David Torn ・ Mick Karn ・ Terry Bozzio)
「ジャパン」のベーシストとして有名なミック・カーンMickKarnだが、デヴィッド・トーンのソロ・アルバム「CloudAboutMercury」に誘われたときの様子が次のようなインタビューで紹介されている「ちょうど僕がベースを一切弾かず、音楽活動からの撤退を考えていた時期だった。そんな時彼から電話があった」「僕は気が進まなかったから、忙しいフリをして何とか断った−だからトニー・レヴィンが僕の代役になったのさ」「僕のことを『世界一のベーシスト』と呼ぶんだ。でもズルしている気になるんだよな−自分のスタイルが凄く妙で、他の人達とスタイルが違うだけだから。ただ『ミック・カーン』という名前がクレジットに加わると好都合という理由だけで頼まれて、僕に弾けないスタイルで弾く事を求められれば、そりゃ緊張するし自信が無くなるよ。12小節だのG#だの言われたって、何を指しているのか僕にはわからなかったんだから」
その言葉どおりに受け取っていいかどうかははわからないが、時代の流行に乗って名声を得たミュージシャンの苦悩があったことがうかがえる。確かに目を見張るような技巧的プレイは見られないが、その独特の粘りのあるサウンドとフレーズは独特のものだ。
デヴィッド・トーンDavidTornはジャズ・ギタリスト。ディストーションの効いた奥深いフィードバック奏法を聴かせてくれる。テリー・ボジオTerryBozzioはフランク・ザッパのバンドで活躍したドラマー。後にUKやミッシング・パーソンズにも在籍した。技巧派ドラマーだが、このアルバムではシンバル類を控え、タムタム中心の渋い叩きをみせてくれる。
このアルバムは1994年にジムコ・ジャパンから発売された日本盤のCDだ。解説は市川哲史氏。
2000.7.6