Down To Earth / NEKTAR


昨日紹介したネクターの「リサイクルド」は実に完成度の高いトータルアルバムだったが、今日紹介する「ダウン・トゥ・アース」もなかなかの出来栄えだ。彼らのディスコ・グラフィーを知らないのでアルバムに書かれている年から判断するしかないのだが、「リサイクルド」が1975年とあるから、このアルバムは「リサイクルド」の前作にあたると思われる。

1曲目は「AstralMan/星から来た男」だ。ジャケットもわかるように、このアルバムはサーカスがテーマになっているのだが、なぜ「星から来た男」なんだろう?こんなとき英語力のない自分が悲しい。2曲目は「NellyTheElephant」で、ゆったりとしたリズムで象の雄大さを表現し、ホーンセクションの使い方も素晴らしい。「ファズ」と呼んでいいくらいに深く歪んだディストーション・ギターも曲の雰囲気にピッタリ収まっている。実際に象の鳴き声のSEも入ったりする。裏ジャケットにサーカスの団員に扮したメンバーのコミカルな写真があるから紹介しよう。


3曲目「EarlyMorningClown」は文字どおり清々しい朝のイメージの曲。4曲目「That‘sLife」もコーラス部分が印象的な爽やかな曲だ。アルバム全体を通して、シングルカットしても十分通用する魅力的な曲が多い。B面に移り、スピード感のあるロックらしい5曲目「FidgetyQueen」、曲中にバラードを挟む6曲目「OhWilly」、7曲目「LittleBoy」はアコースティック・ギターのアルペジオで始まるカントリー・ソング。

そして8曲目は「ShowMeTheWay」、これは素晴らしい名曲だ。アルバムの最後にふさわしい。この曲だけでも聴いてみろ。ネクターの ソング・メーカーとしての実力がわかるぞ。そしてこの後、1曲目のフレーズを使った小曲「Finale」でアルバムを閉じる。始めに戻るところは「リサイクルド」でも見られる技法だ。

このアルバムは1974年にBellaphoneRecordsから発売された米盤のアナログ・レコードだ。これもジャケット右下がカットされた2級品盤だった。当時、学生で金がなかった俺は、輸入レコード店の格安コーナーを漁り歩いたことを思い出す。

2000.7.5