Recycled / NEKTAR


ネクターについては実は詳しいことはほとんど知らない。学生時代に雑誌の付録で付いていたプログレッシヴ・ロックの名盤カタログの冊子に、アルバム「リメンバー・ザ・フューチャー」が紹介されていたんだ。だが俺としては今日紹介する「リサイクルド」の方が良い作品だと思うぞ。トータルアルバムとしての完成度も高い。

派手なジャケットが示しているように、このアルバムはエネルギーに満ちた誇大妄想的な壮大ロック叙事詩だ。冒頭から爆発的な音の洪水。タイトル曲「リサイクル」。そしてSEを挟んで途切れなく曲が続いていく。2曲目の「サイバネティック・コンサンプション」はシーケンサーを効果的に使いながら機械的なセンスを出している。そしてタイトル曲のフレーズを組み込んでトータルアルバムとしての印象を強める仕掛けがある。3曲目「リサイクル・カウントダウン」は1曲目の変奏曲でもある。4曲目「オートメーション・ホロスコープ」はシンコペーションの効いたハードな曲。後半から5曲目のフレーズが顔を出す。4曲目「リサイクリング」はピアノとアコースティックギターで始まるドラマチックな曲。そして5曲目「フライト・トゥ・リアリティ」と6曲目「アンエンドレス・イマジネイション?」はメドレー形式で繋がっている。凄まじい大団円。イエスの「究極」にすら比すべき完成度だ。

A面全体を通して「PartOne」、そしてB面は「PartTwo」と書かれていて、B面もメドレー風に続いていく。A面に比べて落ち着いた作りの曲が並び、最後はバラード風の静かな曲でアルバムをしめる。とにかく素晴らしいアルバムだ。プログレッシヴの名盤として名前が出ないのが不思議なくらい。このアルバムを知らずしてプログレを語るべからず、と言っても言い過ぎではないと思うぞ。

このアルバムは1975年にBellaphoneRecordsから発売された米盤のアナログ・レコードだ。輸入盤店でジャケット右上角が斜めにカットされた、いわゆる2級品盤だ。上の写真はスキャンしたときに修正した。

2000.7.4