Memory Serves / MATERIAL


トンプソン・ツインズの「クイック・ステップ・アンド・サイドキック」が80年代ニュー・ウェーヴ・ポップの最高傑作だとしたら、このアルバムは80年代ニュー・ウェーヴ・オルタナティヴの最高傑作だ。俺はこのアルバムを最初に聴いたとき、背筋が寒くなり脳が踊り出すのを止めることができなかった。

なんと言ってもこの当時のマテリアルの魅力は、ビル・ラズウェルBillLaswellのファンキーで重い独特のベースだ。1曲目のタイトル曲「メモリー・サーヴス」からその魅力が全開する。和音を多用したベースとタイトなドラム、そして腰が抜けるようなへろへろのトロンボーンが絶妙の対比を見せる。そしてヴォーカルというより普通のおじさんの声といった歌声。センスがいいのか単に下手糞なんだかわからないギター。3曲目の「アップリヴァー」ではバイオリンが使われ、これがまたとぼけた味を出している。

全部で9曲が収められているが、うち8曲がオリジナル・アルバムの曲で、最後の「ForAFewDollarsMore」は、俺の記憶ではマキシ・シングルとして発表されたものだ。マテリアルはビル・ラズウェルとマイケル・バインホーンMichaelBeinhornの二人に、多くのミュージシャンが集まった複合体的な要素が強いので、ここに集まったメンバーを紹介しておく。オリジナル・アルバムを中心に見ていくと、1〜8のすべてに加わっているのはビル・ラズウェル(4,6,and8StringBass)とマイケル・バインホーン(Synthesizers,Tapes,Radio,Guitar,Drums,Voice)の二人だ。そして1,2,3,4,5,6にはソニー・シャーロックSonnySharrock(Guitar)、1,4,5,7にはフレッド・フリスFredFrith(Guitar,Violin,Xylophone)、2,6,7にはヘンリー・スレッジルHenryThreadgill(AltoSaxophone)、1,7,8にはジョージ・ルイスGeorgeLewis(Trombone)、2,3にはオル・ダラOluDara(Cornet)、3,6にはビリー・バンBillyBang(Violin)、1,8にはチャールズ・K・ノイスCharlesK.Noyes(Drums,Percussion)が参加している。

そしてボーナス・トラックの9には、ビル・ラズウェルとマイケル・バインホーンに加えて、ヘンリー・カイザーHenryKaiser、ロバート・ムッソRobertMusso(Guitar)、グランド・ミキサーDST(Turntable)、ダニエル・ポンセDanielPonce(Percussion)、アントン・フィアーAntonFier(Drums)が参加している。

このアルバムは俺の知っているだけで4種類のジャケット違いがある。1981年発表だ。そしてこれは1992年にDemonRecordsLtdから発売された英盤のCDだ。近々アナログレコードのジャケット違いを紹介しようと思っているから、楽しみにしていてくれ。

2000.6.30