Memory Serves / MATERIAL


昨日紹介したマテリアルの「メモリー・サーヴズ」ですが、掲示板でyumitaさんは「私の持ってるメモリ−・・のアナログ盤も紹介とはジャケ違いです」と書いてくださった。今日は私の持っているアナログ・レコードのジャケットを紹介します。日本盤ではこれが唯一のものだと思います。

明日も別のものを紹介しますが、今日のアルバム・ジャケットは下部にレーベル「セルロイドCelluloid」のロゴが入っています。「CBSソニーがセルロイド・レーベルと契約を結び、マテリアル関係のレコードが数多く日本発売される運びになった」とライナーで高橋健太郎さんが解説しています。ここにはアルバムに集まったミュージシャンのことが詳しく書かれているので、少し引用します。

「ビル・ラズウェルは1955年生まれのシカゴ出身のベース奏者」ということですから、このアルバム発表当時は26才となります。マイケル・バインホーンが1960年生まれということで、彼は当時弱冠21才の若さです。「7曲中6曲に参加しているソニー・シャーロックは、60〜70年代にハービー・マンのグループでのプレイがよく知られる黒人ギタリスト。マイルス・デイビス、ウェイン・ショーター、ファラオ・サンダースなどのグループでもレコーディングを残している」とあります。ソニー・シャーロックは昔のアルバムは聴いたことがありませんが、この後に発表されるソロ・アルバムは、とてもアグレッシヴなプレイが印象的でした。「フィル・マンザネラが大きな影響を受けたというそのプレイは、ロック的なニュアンスもあるラフでノイジーなもので、かなり特異な存在だ」とあります。

私が知らなかったヘンリー・スレッジル、オル・ダラというミュージシャンは、ジョージ・ルイスと同じくAACM出身と書かれています。さらにオル・ダラはジェイムズ・ブラッド・ウルマーとも親交があるようで、アルバム「アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ」と「フリー・ランシング」にも参加していると書かれています。今度確認してみよう。

高橋健太郎さんは最後に「マテリアルは翌年のセカンド・アルバム『ワン・ダウン』ではまったく違う音楽を聞かせている」と述べ「どちらかというと、ここでの試みを引き継いでいるのは、’83年に発表されたラズウェルのソロ・アルバム『ベースラインズ』の方だろう」と書いています。私もその通りだと思うし、「ベースラインズ」も大好きなアルバムです。これも近いうちに紹介しましょう。

このアルバムは1981年に発表されました。そしてこれは1982年にCBSソニーから発売された日本盤のアナログレコードです。ライナーの裏には竹田賢一さんによるマテリアル周辺のミュージシャン相関図があって素晴らしい資料です。

2000.7.1