Dandruff / Ivor Cutler


今日は「アイバー・カトラー」だ。こんなアルバムをWebで紹介する奴は、きっとこの世に俺しかいないだろうなあという変な自負を覚えたりするぞ。とはいえ、俺だって、アイバー・カトラーがナニモノなのかわかっているわけではない。しかしこのアルバムは俺の音楽に対する考え方を大きく変えてくれたアルバムであることは間違いない。

このアルバムに出会った当時に俺が夢中になっていたのは、キング・クリムゾンやイエス、ピンク・フロイドといったプログレッシヴ・ロックであり、オザンナやニュー・トロルス、PMF、フォーカスといったヨーロピアン・ロックだった。そんなときに、なぜ俺はこんなアルバムを手に入れることになったのだろうか?何の知識もなく購入するはずはないので、雑誌など何らかの情報を得ていたに違いないが、今となっては思い出せない。

副題を「OnTheHarmonium」といい、アイバー・カトラーは「ハルモニウム=足踏みオルガン」を弾きながら、ときには歌い、ときには朗読する。A面には15、B面には30のトラックが収められているが、そのうち半分はカトラーじいさんの朗読だ。いくつかは女性の声で朗読もある。俺には英語を理解する能力がないし、輸入盤で訳詞もないので何を言っているのか皆目わからない。しかし寝物語のような懐かしくやさしい声は、聞いているだけで幸せな気持ちになる。もしかしたら子どもの頃、まだ言葉を理解しないうちに、耳に聞こえた親の声を思い出すのかも知れない。

このアルバムを聴いたことがあるという奴がいるなら言ってくれ。アイバー・カトラーについて語り合おう。このアルバムは1974年に発表された。VirginRecordsLtdから発売された英盤のアナログレコードだ。

2000.6.14