ラリー・カールトンは「L.A.フュージョン」だ。この言葉を聞いただけで、なんだか爽やかにカラッと乾いた風が吹いてきそうじゃないか。
ギターのサウンドはかなり粘っこく、フレーズもレガートが効いていて上から下へダイナミックに動き回る。コード的にもアヴォイド・ノートが効果的に使われている。しかし、明るいのだ。例えば4曲目の「ポイント・イット・アップ」などではアラン・ホールズワース的なコード展開と色っぽいレガート奏法が聞けるが、やはり、なんとなく、明るいのだ。バック・ミュージシャンの淡々としたリズム運びがそう聞こえる理由かも知れない。こんなことも気づいた。2曲目の「彼女はミステリーWhereDidYouComeFrom」のスライド・ギターは、初期イアン・ギラン・バンドのギタリストであるレン・フェンウィックRayFenwickがアルバム「鋼鉄のロック魂(すごい邦題だ)ClearAirTurbulence」で聞かせてくれたものと雰囲気が似ている。
このアルバムは1978年に発表された、邦題は「夜の彷徨」でご丁寧にも(さまよい)と括弧書きがされている。このCDは株式会社ワーナーミュージック・ジャパンから「HotPrice」と題して、1,835円の廉価で発売されたシリーズの日本盤だ。
2000.6.5