し・の・び・愛 / 柏原芳恵


あのー考えよーによっちゃ違和感のあるアルバムだと思うんですが、怒らないでね。柏原芳恵も大好きなんです。デビュー当時は確か「よしえ」とひらがな表記だったんじゃなかったかな。思い出すのはデビュー当時のコマーシャル。あの歌は何だったかなあ。甘え声で、しかも艶やかで澄み渡る声が印象的だったなあ。

このアルバムではもう「かわいこちゃん」歌手ではなく、大人の恋を歌っている。冒頭の「恋のD−day」は加藤和彦作曲で演歌の雰囲気も感じられる曲。2曲目「ショック・かくして・大人する」も加藤和彦作曲で、どうやら浮気をしているらしい彼にショックを感じながら気づかないふりをする女を歌う。3曲目「夕月檸檬」もプレイボーイに惚れた初心な女心を歌っている。これなどは彼女の透明で艶やかな声がぴったりくる曲。「ハリウッド・ロマンス」もいいかんじ。タイトル曲「し・の・び・愛」は覚えやすいメロディーでとてもいい曲なんだけど、あまり高い調子の歌は彼女の魅力を減じる気がする。それより次の「センチメンタル・ホテル」の方が派手さはないけれども彼女には合っている。続く「元気でね...」はフォークギターの伴奏で、別れを歌った典型的な日本フォークソング。

少女のような幼い顔に夢見るような瞳、豊かな胸、女性らしさを満面に感じる柏原芳恵のこのアルバムは、1985年にPhilips日本フォノグラムから発売された日本盤のアナログレコードだ。CDではこのジャケットの艶かしさは伝わらない。


2000.1.17