Gone Again / Patti Smith


今日は一日こいつを聴いていた。ロックそのものというアルバムだ。上にある重厚なモノクロームのジャケットは、CDを覆うように作られたケースのデザインだ。CDケースの中にあるのは下のもの。カーテンの脇に佇む2人の子供のシルエット。パティ・スミスのこのアルバムは、デトロイトのミュージシャンであるフレッド・ソニック・スミスFredSonicSmithの思い出のためにと記されている。


1曲目のタイトル曲「ゴーン・アゲイン」はそのフレッド・スミスとパティ・スミスの共作。重いリズムの力強いロックだ。2曲目「ビニス・ザ・サザン・クロス」ではトム・ヴァーレインTomVerlaineのギターが聴ける。オルガンはジョン・ケイルJohnCaleだ。トム・ヴァーレインのギターは「サマー・カニバルズ」と「ファイヤーフライズ」でも聴くことができる。特に「サマー・カニバルズ」はいかにも彼らしいギター・ワークだ。「ファイヤー・フライ」でのギターもカリカリと枯れた音が素晴らしく味がある。

8曲目にボブ・ディランBobDylanの「ウィックド・メッセンジャー」が取り上げられている。他にもパティ・スミスの作品だが「ビニス・ザ・サザン・クロス」や「デッド・トゥ・ザ・ワールド」、「レイヴンズ」、「フェアウエル・リール」でもディラン風の歌いが聴ける。このアルバムにおける彼女の作品は明らかにボブ・ディランの影響下にある。

このアルバムは1996年にアリスタ・レコードAristaRecords,Incから発売された米盤のCDだ。


2000.1.16