一昨日がダグマー・クラウゼのスラップ・ハッピー、昨日はニナ・ハーゲンときて今日はマライア・キャリーだ。好きなんだから仕方ない。俺のページはこの落差が魅力なんだと思ってくれ。このアルバムは昨年秋に発表されたもので、あの頃CD店ではこのジャケットがあちこちに飾られ、目が引き付けられて離れなかった。ポスターやパネルを欲しいと思ったのは俺だけではないはずだ。「バタフライ」のジャケットもよかったな。妖しい魅力がビンビン伝わってくる。
DJクルーのプロデュースで、アルバム発表に先行してシングルカットされたという1曲目「ハート・ブレーカー」は、Jay−Zのラップをフューチャーしたディスコティックな曲。これのリミックスが7曲めにあり、ここではDJクルーとダ・ブラット、ミッシー・エリオットのラップがフューチャーされ、より黒っぽい仕上がりとなっていて楽しめる。だがやはり「ブリス」や「アフター・トゥナイト」のようなしっとりとした優しいバラードが俺のお気に入りだ。9曲目にフィル・コリンズのカバー「見つめて欲しい」があるが、彼女のヴォーカルが映える控えめなアレンジに仕上げてあって素晴らしい。
アルバムの後半部分がまた素晴らしい。12曲目の「ペタルズ」は、ケイト・ブッシュを想起させるドラマチックな曲、そしてタイトル曲「レインボウ」から「サンク・ゴッド・アイ・ファウンド・ユー」へと続く流れは、現代ポップ・ソングの究極の完成形と言ってよいほどの美しさで終局を迎える。
このアルバムは1999年にSME株式会社ソニー・ミュージックエンタテイメントから発売された日本盤のCDだ。
2000.1.12