Worlds Within Worlds / Basil Kirchin


こぉれはカルトだ。ずっとレコード棚の奥にしまい込まれていたのだが、あらためて聴いてみると実に凄まじいものだった。このアルバムをカルトと言わずして何をカルトと言うのだ。だいたい俺はどうしてこんなアルバムを持っているのだ。詳しいことはまったくわからない。おそらく裏ジャケットにブライアン・イーノの紹介文が載っているから買う気になったのではないか。そして一度聴いただけで棚の隅に押し込められていたのに違いない。今となっては何も思い出さないがな。

その裏ジャケットには解説が書いてある。英語なので詳しくはわからないが、バジル・カーチンはスイスの音楽家らしい。アルバムタイトルの「WorldsWithinWorlds」という作品は、全部で4つのパートに別れていて、このアルバムにはパート3「Emergence」とパート4「Evolution」が収められている。パート1、2は鳥や動物の声とアンプで拡声された虫の声を加えたジャズ曲で、セクステットのスコアになっているそうだ。このパート3、4にもゴリラ、ホーンビル(という動物?)、フラミンゴの鳴き声、その他にアンプで拡声された虫の声、動物や鳥の鳴き声、ジェット機の音やその他のエンジン音が使われているらしい。スコア自体はフリューゲルホルン、アルペンホルン、ウッドウインド、チェロ、アルコベース、オルガンのために書かれている(そうだ)、が、それらの楽器音が混沌と混ざり合っている。また意図はわからないのだが、子供の声が使われていて、これはスイスのシュルマットというところにある施設で録られたものらしい。

このアルバムは1974年にIslandRecordsから発売された英盤のアナログレコードだ。たいへん不思議なアルバムだ。


2000.1.6