いったいこのアルバムのどこらへんが「Jazz」で「Funk」なんだろう。いや、もしかしたら俺がそう思うのは、感性に欠けているからかも知れない。自分の音楽的教養を暴露することになるかも知れないから、うかつなことは書けないぞ。うーむ。だが何度聞いてもジャズやファンクの香りはしない。
だいたいジャケットが牧歌的だから始末に悪い。トラッド・フォークかグループ・サウンズのアルバムかと思ってしまう。だが4人のうち3人はにこにこと愛想のいい顔をしているが、一人だけコワイ顔の男がいる。左から2番目の男、それがリーダー格のジェネシズ・P・オーリッジGenesysP−Orridgeだ。
全部で11曲が収められていて、そのうちの6曲には詞が付いている。だがボーカル曲というのではなくて、呟きのような台詞だ。だが電子音とノイズ、ヴォイスの中に感じられるプリミティブな感覚は、なぜか心の落ち着きを感じるところもある。
このアルバムは1979年にトリオ・ケンウッドから発売された日本版のアナログレコードだ。
2000.1.5