Heathen Earth / THROBBING GRISTLE


Throbbingとは動悸を打つという意味だが、いかにもどきどきするという感じがする言葉だ。Gristleは軟骨。意味深な名前のグループだが、マニアはよくご存知のバンドだ。このアルバムはスロビング・グリッスルのライブアルバム。ジャケットのデザインが格好いいだろう。このアルバムも学生時代には幻のアルバムだった。雑誌では紹介されつつも、実際に手にしたことも見たこともなかった。もちろん耳にすることもなかった。

このアルバムを手に入れたのは、社会人になってからだ。もうその頃は、ノイジーな音楽にはほとんど興味を持てなくなっていたのだが、世はレコードからCDへと雪崩を打つように変化していた時代で、中古レコード店では投げ売り状態でたくさんのレコードが売られていた。このレコードには当時の販売ラベルが付いていて、店は加古川駅前のPOPSinnMIYAKO、500円と書かれている。まったく安い値で手に入れたものだ。

A面は約26分、B面は約21分で、どちらも「TheLiveSoundOfT.G.」とだけしか書かれていずコンサートの模様がそのまま録音されている。過度に歪まされたリズムボックス、ファズ・ギター、スペーシーなシンセサイザー、ヴォイズ、ベースの太いリズム、ノイズ、電子音、リングモジュレーター、テクノ風ドラムマシン、それらが入れ替わり立ち代わりコンサートの中に現れては消えてゆく。ここまで内向的な音楽はあまり好きになれないが、そんなに嫌いでもなかったりする。

このアルバムは1980年2月16日の午後8:10から9:00にインダストリアル・レコードIndustrialRecordsスタジオで演奏されたライブアルバムで、1981年にフェティッシュ・レコードFetishRecordsから発売された仏版のアナログレコードだ。


2000.1.4