このインパクトのあるジャケットは、そう、あの人。ELPの「恐怖の頭脳改革」も確かこの人のデザインだったな。H・R・ギーガーGiger。映画「エイリアン」のデザインを手がけたことでも有名だ。シリアスなイラストが多いのだが、このジャケットはややコミカルな味がある。
マグマらしいパワフルなリズムで幕をあけるアルバムは、A面最初から最後まで快進撃。スピード感のある1曲目「TheLastSevenMinutes」の次は、静かなピアノで始まる2曲目「Spiritual」は副題が「NegroSong」とあり、ダンサブルに展開する。3曲目「Rind」はマグマらしいスキャットのオペラ調。こいういう曲がマグマの魅力で大好きだ。A面最後の4曲目「LiriikNecronomicusKanht」は、ズーズーと鳴る笛のような楽器でメロディーが奏でられ、ドラマチックに終わる。いーなーこの終わり方。いかにもA面終わりましたぁって感じがする。CDではA面もB面もないから、こういう感慨はアナログ・レコードならではの醍醐味だ。
B面はリズミカルな「Maahnt」に続いて、機械音のSEで始まる静かなバラード「Dondai」。マグマでは珍しいんじゃないかな、こういう曲は。なんとなくアジア風のイメージが感じられる。最後の「Nono」はベースのイントロが印象的。マグマはリーダーのクリスチャン・ヴァンダーがドラマーで、リズムがパワフルなんだがベーシストもテクニシャンで個性的なプレイを聴かせてくれる。
このアルバムだが、レコードには何年に発表されたかクレジットがない。TomatoMusicCo.から発売された米盤のアナログレコードだ。
1999.8.19