Albedo 0.39 / Vangelis


ヴァンゲリスの音楽は、いわゆるシンセサイザー・ミュージックに分類されることが多いだろうが、例えばタンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツのそれとは全然違う。クラシカルなアプローチという点では、リック・ウェイクマンには近い気もするが、それでも決定的に異なるところがある。それは、ヴァンゲリスの音楽には、汗と血の匂いがするところだ。

実はそれほど熱中して聴いてきたわけではないので、全貌は計り知れないのだが、Webで見つけたNanaiMigeruさんの「VANGELIS’sPAGE!」で昔に聴いたアルバムの印象がよみがえってきた。このページはVangelisの全アルバム解説を、ご自身の音楽体験とあわせてまとめられた秀逸なページだ。

私が聴いてきたのは、1973年発表の「Earth」、1977年の「Spiral」、1977年の「Ignacio」、1978年の「Beaubourg」、といったところ。そうそう、アルバムを通して聴いたことはねいけれど、映画「ブレードランナー」での曲もよかったなあ。映像の持つ神秘性を極限まで高めたのは、ヴァンゲリスの音楽によるものが大きいと思う。

俺は確か「Earth」と「Beaubourg」はLPを持っていたはず。NanaiMigeruさんは先のホームページの中で、「CD盤で気になったのが、1曲目10:15以降の数秒と、16:38以降曲の最後まで、2曲になるとほぼ中盤まで、まるでレコードの回転数を遅らせたような、大きなワウフラッターの如き妙な聞こえかたがするところがあることです。LPで聞いた時にこんな変な聞こえかたしたっけか(謎)。マスタリングのミスか?なんか非常に悔しいです」と書かれているが、LPの方を確認してみたいと思っている。

解説は赤岩和美さん。リック・ウェイクマンが脱退したとき、イエスへの加入の誘いがあったが断ったいきさつなどが書かれていて、「もし、私がイエスに加入したとすれば、とても有名になっただろう。その後で、私がイエスをやめてひとりでやるようになった時には、今より多くの人々が私のレコードを聞いてくれるさろう。しかし、私は確立された経歴をふまえて活動することに興味はないのだ」というヴァンゲリスのコメントが紹介されている。

このアルバムは1976年に発表された。このCDはBMGビクター株式会社からから発売された日本盤。

1999.8.16