Let’s Make Up And Be Friendly / BONZO DOG BAND


このアルバム、邦題は「仲良き事は美しき哉」だ。昨日紹介したアルバム「ケインシャム」の発表が1969年だが、以降バンドは解散、メンバーは様々なバンド活動を行うが、1972年にロドニー・ステイラーを除いて再結成、このアルバムを発表することになる。だが結局バンドは再び解散、ボンゾ・ドッグ・バンドは歴史を終えることになったようだ。

やはりこれまでのアルバムと同様、とらえどころのない様々なタイプの曲が押し込まれている。しかし演奏はどれもゆったりと貫禄があり、じっくり聴かせてくれる。シニカルな歌詞も一段とそれらしく雰囲気がこもってくる。

聴き所はまず、6曲目「ラスティ(キング・オブ・スラスト)」。とてもせつないブルースだ。ラスティのスラストを忘れることができない、悲しい男の歌だな。6曲目「ロウリンスン・エンド」はよくわからん奇妙な話だが、これはヴィヴィアン・スタンシャルのストーリーで、映画にもなったらしい。詳細な解説を読むと、数々の隠語が説明されているが、それでも何がなんだかわからん(^_^;)

8曲目の「ドント・ゲット・ミー・ロング」は「ドント・レット・ミー・ダウン」のパロディとか。熱い愛の歌だ。9曲目の「フレッシュ・ウーンド」もビートルズの香りがプンプン匂う。10曲目「バッド・ブラッド」は、ある男に復習するために人生を棒に振った男の歌。男は銃を使えるようになるために3年修行し、国中を4年間さまよった。そしてようやく相手が見つかった途端、別の男がそいつを撃ち殺してしまった、という歌。ウエスタン調の曲に仕上がっている。

そして11曲目「スラッシュ」、こいつが凄い。なにが凄いって、そりゃあ、凄い。これだけは聴いてみなければわからないぞ。インストルメンタル曲で、一見ほのぼのとした演奏なのだが、曲がすすむにしたがって、そのとてつもない恐ろしさが魂に響いてくる。ああ、世界中の人に、この曲を聴かせたい。

ところで最初にもどるのだが、1曲目の「ザ・ストレイン」では、どーもキャプテン・ビーフハートのようなボーカルがきこえて仕方ないのだが、どうなんですか?誰か知りませんかあ。また3曲目「キング・オブ・スカーフ(フケの王)」も素晴らしい歌詞だ。「僕の頭はまんべんなく覆われている/アルプスの頂上を覆う雪みたいだろ」なんて。

このアルバムは1972年に発表された。んでこのCDは、1994年にOneWayRecordsから発売された米盤で、MSIが輸入して日本語化をはかり国内発売したもの。

1999.8.14