このアルバムも大学１年生の頃に元町のレンタル・レコード店「アップル」で借りて聴いたものだ。衝撃的だったなあ。ビンビン響くベースが当時の流行を思い起こさせる。バイオニックなキーボード、あまり上手くないけれど味のあるボーカル。控えめにアレンジされた電子ドラム。メロディはどこかしら耳になじみがあって、妙にポップなんだなあ。そして機械的な音と肉体的な音が絶妙にミックスされている。

このバンド、メンバーは３人とクレジットされている。ＧｏｒｄｏｎＨｏｎ、ＫｅｎｎｙＰｅｅｒｓ、ＡｌａｎＧｉｌｌ。気に入ったアルバムを見つけたら、そのバンドのことが気になるものだ。他にどんなアルバムがあるのか、活動歴はどうなのか、メンバーの個性はどうか。だがこのバンドについて当時は何もわからなかったし、今でも全くわからない。だがそれでもよかった。何もわからなくても、このアルバムは魅力的で、俺の心にしみついた。

最初に書いたように、レンタル・レコード店で聴いたものだったが、後に中古レコード店でアルバムを見つけることができた。こういうレアなアルバムを中古店で見つけると、嬉しくなると同時に、前の持ち主の心情を想像して複雑な気持ちになる。並みの音楽ファンではないはずだが、このアルバムの良さがわからなかったのかなあ、飽きるほどに聴いたのかなあ、音楽そのものへの情熱を失ったのかなあ、などと。

このアルバムは１９８３年にＷＥＡＲｅｃｏｒｄｓＬｔｄ．ＡＷａｒｎｅｒＣｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓＣｏ．から発売された英盤のアナログ・レコードだ。

１９９９．７．１９