Ivor Cutler 〜 Jammy Smears / Ivor Cutler ・ Jammy Smears
これは現代の「吟遊詩人」アイヴァー・カトラーのアルバム。俺がアイヴァー・カトラーの作品を最初に聴いたのは、ファースト・アルバム「Dandruff」だった。俺が何故このアルバムを手にしたのか。今はもう思い出せない。だが、なぜだか俺は、アイヴァー・カトラーのアルバムを、レコード店の棚から手にとって、レジまで運んで代金を支払ったのだ。「Dandruff」も素朴なデザインのジャケットだった。モノクロ2階調の、版画のような白黒のデザイン。いったい俺の心の中に、どういう動機が生じたのかわからんが、とにかく俺はそのアルバムを聴いたのだ。今でもそのときの驚きは、ありありと脳裏に浮かび上がる。俺は仰天した。こんなにも歌を愛するミュージシャンがいることを。そしてそのアルバムをプロデュースし、商業ベースに持ちこむレコード会社があるってことにも。そうだ、その「Dandruff」というファーストアルバムも、これと同じVirginRecordsから発売されたんだ。
このアルバムはJammySmearsという女性と共作のように書かれていて、裏ジャケットには彼女らしい人と仲良く肩を組んでいる写真が写っている。どういう人なんだろうか?アルバムはピアノやアコーディオンを伴奏とする歌、アイヴァー・カトラー自身による詩の朗読と、JammySmearsらしき人の朗読、などが収められている。英語がすらすらと理解できたら、もっと深く味わうことができるだろうと残念でならない。
裏ジャケットに、アイヴァー・カトラーの作品が一覧となって書かれている。このアルバムに至るまでに、すでに6枚のアルバムが発表されたようで、結構多作なんだと感心したり。アイヴァー・カトラーの魅力を理解したければ、とりあえすファースト・アルバム「Dandruff」を聴くのがいいかも知れない。底無しの魅力に陥ってしまうぞ。これも近いうちに紹介しよう。
このアルバムは1976年にVirginRecordsから発売された英盤のアナログ・レコードだ。
1999.7.16