「ポップの河の流れの底にあり続ける清明なオリを鮮やかに音楽玩具化してみせた闘う詩情が横溢した傑作EP2枚を収録したアルバム。78年に本作が発表されるやたちまち、レジデンツの聴取者を増加させる結果を招いたことは、パンク支持者の間でも現在もひそかに語り継がれている逸話である」CDジャケットの帯には、こう、書かれている。昨日のアルバム同様に、これだけ見て買った人は聴き終わってどんな感想を持つだろう・・・
レジデンツのアルバムがCD化されると雑誌で読んだとき「なんて無謀な」と思う反面、「あのローファイ・サウンドをCDで聴いてみたい」という倒錯的な欲求を強く感じた。アナログ・レコードで持っている音源は余程のことがない限り、CDで買わないことにしているが・・・と思っても買ってしまうこと多々あるんだが・・・このシリーズだけは手に入れたいと思った。だが実際は新品CDを買うほどの余裕はないのでそのままになっていたが、先日ある集まりがあって大阪へ行ったとき、待ち合わせの時間が来るまでCD店をさまよっていたら、運悪く見つけてしまった(^_^;)
冒頭にCDの帯びに書かれた解説は、湯浅学さんの書かれたもの。実に豊かな語り口でレジデンツとこのアルバムのことを語っている。「印象的な名曲を多数含む1978年の5作目。ヴォーカルに重点を置いた最初のアルバムとしてザ・レジデンツの歴史上重要な1枚です」とも書かれていて、確かに数多くのレジデンツのアルバム中、これはねじれたポップ感が面白く、のめり込んでしまう魅力がある。
気になる奴はとにかく聴いてみろ。今なら必ず手に入る。音楽観が一変すること間違いなしだ。ボンバ・レコードというところから2,200円で発売されている。日本盤のCDで英詩も訳詞も完璧だ。「ザ・レジデンツ公式履歴書」という文章も読める。レジデンツ入門には格好の一枚だ。オリジナルの発売は先にも書いたとおり1978年のようだ。
1999.7.12