Up In Downsville / A CERTAIN RATIO


アルバム「MCR」の次にこのアルバムを聴くと、「ふっきれたな」という印象がある。

昨日紹介したアルバム「MCR」では、悩みながら恐る恐るいろんなことをやってみた、という印象があったが、このアルバムでは自信を持ってやっている。1曲目「Manik」はリズム・マシンやシーケンサーを多用しながら、エスニックな生打楽器も取り入れた肉体的なテクノ・ファンクの構成に成功している。2曲目「TurnMeOn」は女性ヴォーカルをフューチャーした甘いポップスだが、「MCR」で見られたような斜めに構えたところはなく素直な仕上がりになっている。

3曲目の「Mello」、4曲目の「WonderY」、7曲目の「Tekno4AnAnswer」では、アナログ・シーケンサー風の短いメロディーでレトロな雰囲気を醸し出している。テクノが「Tecno」ではなく「Tekno」と綴るところに彼らなりの解釈が見えておもしろい。

5曲目のタイトル曲「UpInDownsville」はファンクだ。頭で楽しむクールなファンクではなく、体が揺れる黒いファンクだ。次の6曲目「27Forever」もかっこいい。8曲目の「Salvador’s」も打楽器の空間表現が素晴らしい。少し日本風の印象もあるな。そして「UpInDownsvillePart2」、「27Forever」、「Mello」の別テイクが入っている。

このアルバムは1992年に発表されました。RobsRecordsというところから発売された英盤のCD。

1999.7.6