昨日のページで「ビ・バップ風の曲」と書いた。だがどれだけの人が「ビ・バップ」と言って通じるのだろう、と心配になった。私の年代でも、「スイング・ジャズ」と「モダン・ジャズ」の違いすら、ほとんどの人はわからないだろう。いまインターネットにアクセスしている世代の人に、こんな言葉が通じるのだろうか。
考えてみれば、音楽を言葉で伝えることの難しさに気づく。音楽のジャンルを表現する言葉はいろいろあるが、そのどれもが不明瞭と言ってもいい。「プログレッシブ・ロック」は「前衛的ロック」で、「ハードロック」は「激しいロック」ならなんとか通じる。では「ヘビー・メタル・ロック」とは「重金属ロック」なのか、「ハウス・ミュージック」とは「室内楽」なのか(^_^;)
すると音楽をジャンル分けすることに果たして意味があるのか、と自問する。しかしそれは意味がある。異なる言葉で音楽をカテゴリ分けするということは、そこに音楽を分類するという分析的な聴き方がある。分析的な聴き方ができるということは、意識しないでいても音楽的技法の違いを解っているということだ。すると音楽をさらに豊かに楽しめる。
さてこのアルバム、タイトルに「ブルース」という言葉を使っているように、ブルースに徹したアルバムだ。Scorchinとは「焼け付くような」。まさに火傷をしそうなくらい熱気に満ちたアルバムだ。少し変に思うかも知れないが、このCDはハイファイではなく、モノラルのプレーヤーか、カーラジオから流れてくるのがふさわしいように思う。そうすれば熱いテキサスの雰囲気が感じられるような気がする。
このアルバムは、正確には書かれていないが、1977年に発表されたもののようです。これはSonyRecordsから発売された日本盤のCD。1999年6月21日に明石駅前の中古CD店オヤユビピアノで1,180円で購入。
1999.7.2