ロックの「バンド」というのは不思議なものである。個性的なプレイヤーが集まって、それぞれの力が凝集されたとき、そのバンドは巨大なエネルギーを持つ。プレイヤーが互いの感性を尊重しあってこそ、よりよいものが生まれる。ここにはその典型がある。
収められているのは1996年3月4日から6日にカリフォルニアのサン・ルイス・オビスポSanLuisObispo(SLO)にあるフレモント・シアターFremontTheatreで行われたコンサートの様子。メンバーは、ジョン・アンダーソン、スティーブ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、アラン・ホワイトの黄金メンバーだ。それにボーナス・トラックとして「ビー・ザ・ワン(9:50)」と「ザット・ザット・イズ(19:14)」というスタジオ録音の2曲が加えられている。「ビー・ザ・ワン」は聴きやすいドラマチックな曲。映画音楽のような雰囲気を持っている。「ザット・ザット・イズ」はいかにもイエスらしい構成美の究極にある大作。
このアルバムは1996年に発表された。米盤でBMGから発売された2枚組のCDで、広げるとジャケット9枚分、40cm×40cmほどの広さになるポスターが付いている。デザインはおなじみロジャー・ディーン。同僚のDさんが、職場近くの本屋で安売りしていたと教えてくれたので、今日、大急ぎで買いに行った。790円。
1999.5.22