The Naked Shakespeare / Peter Blegvad


JR阿佐ヶ谷駅で降り、宿泊の予約をしているビジネス・ホテルへの道を歩いていくと、小さなCD店がありました。その時点ですでに30枚近くのCDを秋葉原で購入していた私は、疲れたいたし資金も底をつきつつあったので、店の外からちらりと覗いただけで通りすぎました。ホテルにチェックインし、背広を脱ぎネクタイを外してリラックスすると、店の様子が気になりだしました。LPがずいぶんたくさんあったなあ、壁一面がCDの棚だったなあ、あれぜんぶ中古なのかなあ、値段はどのくらいで売られているかなあ、きちんと整理されているかなあ、もしかして珍しいものあるかなあ・・・

もう我慢ができません(^_^;)。シャツの上からコートを羽織ってホテルを出ました。店に入るとLPがかなりのスペースを占めていて、いかにもマニアの店という感じでした。出入りするお客さんの多くは店の人と懇意らしく、話しがはずんでいます。CDはあまり整理がされていなく、インデックスはもちろんのことアルファベット順に並んでいるわけでもなく、私は棚の端から順番にCDを見ていきました。すると・・・

「なんだこれは!!」思わず声が出そうになりました。学生の頃、レンタルレコード店で借りて聴き、カセットテープに録音して何度も何度も繰り返し聴いていたアルバム。次第に聴く機会がなくなってきたけれど、また再び無性に聴きたくなり、レコードでもCDでもないものかと探していたアルバム。昨年末から正月にかけてのアメリカ旅行でも探したけれども見つからなかったアルバム。そのアルバムが目の前にあったのです。

震える手でCDを取り「あ、お客さん、それは実は貴重なCDで、何万円もするんですよー、値段の付け間違いですみません」と言われたらどうしよう(^_^;)なんて妄想に陥りながらレジへと持って行きました。お金を払ってからお店の人に、私は神戸から仕事の出張で来たのだが、これは長年探していたアルバムだったのです、と感謝の言葉。「よかったですね」と言ってくれました。

ホテルへ戻り、CDプレイヤーを持ってこなかったことを後悔しつつ、封を開けてCDと対面。あらためて参加ミュージシャンの顔ぶれに驚く。デイヴ・ステュワートDaveStewart、ジョン・グリーヴスJohnGreaves、バーバラ・ガスキンBarbaraGaskin、アントン・フィアーAntonFier、コリン・ムールディングColinMoulding、アンディ・パートリッジAndyPartridge、デヴィッド・ロードDavidLord、JakkoM.Jakszyk、GeorgieBorn、MaggieReilly。

アルバム最後に収録されている13曲目「MajorMinor」は、昔に聴いたLPには、私の記憶ではなかったと思います。どこの盤だったかにもよるのでしょうね。しかし確かにこの曲は、少しパンクっぽい雰囲気で、アルバム全体の印象から外れています。

このアルバムは1983年にヴァージン・レコードVirginRecordsLtdから発売されました。東京阿佐ヶ谷駅前にある中古CD店で、700円で手に入れました。珍しいCDに似つかわしく、オーストリア盤でした。

1999.3.3