Studio Tan / Frank Zappa


このアルバムを初めて聴いたのは、今から20年も前、高校生の頃まで遡ります。そうです。20年も前になります。いやあ、なんともはや、月日の経つのは早いものですね。でも買ったものの、1度か2度針を下ろしただけで棚に入れてそれっきりになってしまいました。

だいたいスコーピオンズやキッスといったハードロックばかり聴いていた高校生の私が、どうしてフランク・ザッパのアルバムなんか買ってしまったのか。それはたぶん雑誌の評を見て「すごいらしい」と思って買ったのだろうと思います。乏しい小遣いの中から買うにしては、ずいぶん大胆なことだったのですが、人間というものはその場その場は「無駄」と思えるような行動を積み重ねながら生きており、その一見「無駄」な行為が、新しい局面へと導いてくれることもある、ということを示しているのですね。というか、私が気まぐれなだけなんですけど。

このアルバムと「SleepDirt」「OrchestralFavorites」の3枚は、その前作「ZappaInNewYork」とともに「”ラザー”と名づけたボックスを出す予定だったというが、レコード会社側とのトラブルがあり結局ザッパの最終的な許可なく3枚がバラで発表された」と、雑誌「レコード・コレクターズ」1994年3月の「特集/永遠のフランクザッパ」という追悼特集で、大鷹俊一さんが書かれています。

1曲目の「TheAdventureOfGreggeryPeccary」は物語風でとても楽しそうな曲ですが、あいにく日本語訳がないので理解できなくて残念です。またいちばん好きなのは、アナログ・レコードではB面のトップになっていた、4曲目「LemmeTakeYouToTheBeach」です。コミカルでスピード感があり、真夏にオープンカーでドライブしてるっていう感じです。

このアルバムは1978年に発表されました。このCDはカナダ盤で、Rykodiskから発売されたものです。1月5日、ロサンゼルスのサンセット・ブルーバードにあるタワーレコードで、$12.22で買いました。

1999.2.10