このアルバムの一番のインパクトは、やはり1曲目の「OurSong」でしょう。身体を叩く音、げっぷの音、赤ちゃんの声、しゃっくり、吐息、など身体が発する音が絶妙にコラージュされています。この曲を聞くだけでも、このアルバムに出会った喜びを感じられます。
しかし感じ方は様々なようで、職場でも私と同年齢のKさんは面白がっていましたが、少し年長でクリムゾンを聴くなど音楽に造詣が深いNさんは「げっぷの音が嫌だなあ」と言いました。まだ20代前半の女性pekoさんは「おもしろいやーん」と素直に喜んでいます。
2曲目「SeaShellAndStone」はロジャー・ウォータースらしい歌詞とメロディーの美しい曲。そして「ウマグマ」あたりのピンク・フロイドらしいコラージュ的な雰囲気の曲が続きます。バンド形式だけでなく、管弦楽器を使ったクラシックの室内楽風の演奏も多いです。そして7曲目は再びアコースティック・ギターに美しいメロディーが重なるフォーク・ソング「ChainOfLife」。この曲は私の大のお気に入りです。
このアルバムは、実はLPも持っています。しかし長い間聴いていなかったので、店頭で見つけたときには旧友に出会ったような気がして思わず「おおっお前はぁぁ」と叫んでしまいました。その場にはKAXさんも居合わせていて、彼は「俺もこのアルバム知ってる。だが店で見てもなかなか買う勇気が出なかったアルバムだ」と懐かしそうに語りました。結局シカゴではあまり時間がなかったので、KAXさんに聴いてもらうことはできませんでした。彼が日本へ帰ってきたら、ゆっくりと聴かせてあげようと思います。
このアルバムは1970年に発表されました。このCDは1990年にEMIレコードEMIRecordsLtd.から発売されたカナダ盤です。昨年の12月27日、シカゴ郊外のタワー・レコードで買いました。
1999.1.25