「このバンドは『コバイア星』という星からやってきた宇宙人がやっていて、歌はすべて『コバイア語』で歌われているんです。地球ではフランスで活動しているそうです」と、車の中で同僚のKさんに話したら、「あんたいったいどこからそんなCD見つけてくんねん」と言われました。ほんまやなあ。なんでこんな変なバンドのこと知ってるんやろ。俺の頭のなかは普通のひとと違うようになってきとるんちゃうやろか。
学生の頃からマグマのことは少し知っていました。よく聴いたのは、「UduWudu」というアルバムでした。「Attahk」も持っていました。またリーダー格のクリスチャン・ヴァンデールChristianVander(学生時代は「クリスチャン・ヴァンダーと表記されていた)のソロ・アルバムだったと思いますが、オペラの「トリスタンとイゾルテ」をやったアルバムもありました。このアルバムの1曲目「HortzFurDehnStekehnWest」は、どうも「トリスタンとイゾルテ」で聴いたのと同じ曲です。LPを探し出して確かめてやろう、と思いましたが、あいにく整理の悪い私にはすぐに見つけ出すことができず、確認できません。でもたぶんそう。
邦題がまたすごい。「呪われし地球人たちへ」。よくこんな題をつけたものです。このタイトルを見て「聴いてみたいなあ」なんて思う人いるのかなあ。このアルバムはマグマの3作目にあたるようで、「絶頂期の作品としてファンの間でも評価の高い1枚である」とCD解説の内田哲雄さんは書かれています。また「惑星コバイア」については、「コバイア語はクリスチャン自身の手による創造言語で、文法的にはフランス語に近いが語感はドイツ語やスラブ系言語を思わせ、独特の発声法や巻き舌はオペラの手法に準ずる」「一時は辞書まで発行されていた」とあります。
収められた曲にもぜんぶ邦題がつけられています。「呪われし人種、地球人」「永遠の黙示あらば」「惑星コバイア」「讃美歌」「救世主ネベヤ・グダット」「地球文明の崩壊」「森羅万象の聖霊クロイン・クォアマーン」という具合です。ここまで徹底的に言われると、もしかしたら冗談音楽じゃないかという疑念が湧いてきます(^_^;)。
こんな話を同僚のYさんに話したら「まるで『世紀魔2(こんな字でよかったかな)』みたいですね」と言いました。さらにYさん学生時代、コンサートの興行会社でアルバイトをしていたらしく、「デーモン小暮の素顔を見たことありますよ」と言っていました。「話し言葉なんか普通でしたね」とも。そりゃそうだろうな(^_^;)
このアルバムは1974年に発表されました。このCDはポニー・キャニオンから発売された日本盤です。詳しい解説が付いていて、クリスチャン・ヴァンデールの書いた1stアルバムから3rdアルバムまでのコンセプトが、日本語に訳されて紹介されています。コバイア語を訳すのはたいへんだったろうな(^_^;)
1998.11.27