Turn Of The Cards / RENAISSANCE


大学に入った頃、三宮や元町のスタジオに出入りし、「メンバー募集」という張り紙を見たりして、たくさんの人と出会いました。そのとき出会った人(年齢としては先輩にあたる人でした)が家の近くに住んでいることがわかり、ときどき家に遊びに行ったりしてました。その彼から教えてもらったのがこのルネッサンスでした。

清楚な女性ボーカルが、ロックというイメージを払拭してくれます。ストリングスを多用していて、いわゆるクラシック音楽の影響を感じますが、ヨーロッパのフォーク・ミュージックがベースにあるのだと思います。全部で6曲が収められていますが、そのうち3曲は9分以上ある大作です。

大学に入った頃に聴いたものですから、このアルバムとは実に18年ぶりという再会でした。しかしCDプレーヤーから流れてきたメロディーは、私の記憶にしっかりと焼き付いていたものでした。特にアナログ・レコードではA面に相当する、1曲目の軽快な[RunningHard」、2曲目の叙情的な「IThinkOfYou」、ドラマチックな3曲目「ThingsIDon’tUnderstand」は、どれも懐かしく思えます。

アナログ・レコードではB面に相当する、4曲目から6曲目までは、比較的ゆったりとして、ヴォーカルをじっくりと聴かせる曲となっています。とりわけ最後の6曲目「MotherRussia」は、雄大な大地を感じさせるようなオーケストラに、神々しいばかりのヴォーカルが感動的な曲。ルネッサンスの魅力が全開です。

このアルバムは1974年に発表されました。このCDは1994年にRepertoireRecordsから発売されたものです。MarkBrennanという人がルネッサンスの歴史について解説を書いています。このCDは先日、姫路へ行ったとき、たまたま入った「キリン堂」という古本&中古CD店で見つけました。980円でした。前の持ち主はどんな人だったのでしょうか。また手放すに至った理由は何だったのでしょうか。日本ではあまり有名ではないグループであるが故に、そんなことが気になります。

1998.11.21